米Microsoft Corporationは13日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」のPC版Build 16241およびモバイル版Build 15230を“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対してリリースした。現在、“Windows Update”から更新可能。

Build 16241では、「タスク マネージャー」がさらに改善。たとえばGPUパフォーマンス関連では、[パフォーマンス]タブの[GPU]セクションでGPUの名前が確認できるようになったほか、初期状態で3D・コピー・ビデオデコード・ビデオ処理という4つのパフォーマンスモニターを同時に表示するマルチエンジンビューが表示されるようになった。この[GPU]セクション下部ではGPUメモリの使用量をチェックすることも可能で、本ビルドからはDirectXのバージョンだけでなく、機能レベルまで表示できるようになっている。

また、[プロセス]タブではアプリケーションのグループ化がサポートされた。たとえばタブごとに異なるプロセスを割り当てている「Microsoft Edge」の場合、「Microsoft Edge」のメインプロセスの配下に、それぞれのタブのプロセスがツリー表示されるようになっている。タブのタイトルも「タスク マネージャー」で確認可能となっており、どのタブがリソースを過剰消費しているのかを簡単に把握できる。

さらに、“Windows Update”の配信に関するオプションが拡充された。

Windows 10には、Microsoftから入手したアップデートデータを、ローカルエリアネットワークに存在する他のPCと融通しあうことができるP2P配信機能が搭載されている。個人で複数のデバイスを利用している場合などに有効化しておくと、インターネットの帯域を節約することができて効果的だ。

同社によると、“Windows Update”のP2P配信機構は“ストア”からのダウンロードなどにも活用されているとのことで、本ビルドではこのP2P配信機構がどのように利用されているかを視覚化したり、制御するための機能がいくつか導入された。

本ビルドでは、「設定」アプリの[配信の最適化]画面に“詳細オプション”と“アクティビティ モニター”というリンクが追加されている。

[詳細オプション]画面では、バックグラウンドダウンロードで使用されるダウンロードの帯域を制限し、これらのダウンロードがデバイスの快適な利用を妨げないようにコントロールすることが可能。P2P配信機能はインターネット上のPCとの間で有効化することも可能で、その場合はアップロードの帯域がそのために消費されるが、本ビルドではそれに消費されるアップロードの帯域を制御することもできる。

一方、[アクティビティ モニター]画面では“Windows Update”のダウンロード・アップデート統計情報を閲覧することが可能。P2P配信機構がどこからデータを入手しているか、どこへデータを配信しているかを確認することができる。

そのほかにも、シェル関係ではロックスクリーンでPINとパスワードのリカバリーを行う機能を搭載。新しいユーザーインターフェースデザイン“Microsoft Fluent Design System”のアクリルマテリアル効果の改善も図られた。ゲーム機能や複合現実機能でも、多数の改善が盛り込まれている。

また、Linuxディストリビューション「Ubuntu」が“ストア”から導入可能になったことも併せてアナウンスされた。これに関しては下記リンクのニュース記事を参照してほしい。

 

 

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「Windows 10 S」が企業での利用に向いている理由

Windows 10でサードパーティーウイルス対策ソフトを「一時的に無効化」も--MSが説明

米Microsoftが5月2日に発表した「Surface Laptop」には、教育機関、学生向けの「Windows 10 S」が搭載されている。Surface Laptopは、日本でも5月26日に発表会が行われ、7月20日から販売が始まる。

Surface Laptopは、13.5型のタッチパネルディスプレイ(2256×1504ピクセル/10点タッチ対応)を搭載した薄型ノートPCだ。上位モデルが14万6800円(Core i5-7200U、8GBメモリ、256GB SSD)、下位モデルが12万6800円(Core i5-7200U、4GBメモリ、128GB SSD)となっている。Core i7搭載版のリリースも予定されているが、こちらの発売は秋頃になる予定だ。

5月26日に行われた発表会では、Surface Laptopだけでなく、2in1タブレットの第5世代目となる「Surface Pro」、米国では2016年に発表されていた「Surface Studio」など、数多くのSurfaceラインアップの発売が正式に発表された。

今回は、このSurface Laptopに搭載された、教育機関や学生向けというWindows 10 SがどんなOSなのかを見ていこう。

●Windows 10 Sは教育機関などに向けた管理しやすいOS

Windows 10 Sでは、Win32のデスクトップ アプリケーションを動かすことが出来なくなっている。このほか、オンプレミスのドメイン参加ができなかったり、ブラウザのデフォルトがEdgeに固定されたりしている(他のブラウザをインストールして利用することはできる。Edge以外のブラウザーをデフォルトに設定することができないだけだ)。また、仮想化のHyper-V、Subsystem for Linux、AppLockerなどは動作しない。他のWindows 10とは異なる点がいろいろある。

アプリに関しては、Windowsストア経由でしかインストールできなくなっている。ただし、UWPでカプセル化したWin32アプリケーションは、Windows 10 Sにインストールすることが可能だ。WebサイトからダウンロードしたWindowsアプリケーションをインストールしようとしても、OS権限でインストーラが停止して、インストールすることはできない。つまりアプリは、WindowsストアからUWPアプリしかインストールできないわけだ。

アプリの入手をWindowsストアだけに限ることで、違法なアプリケーション、マルウェアが入ったアプリケーションなどがインストールされないようにしている。

米国では、PCの管理インフラとして、教育機関向けの「Intune for Education」が発表されたほか、「Office 365 for Education with Microsoft Teams」の1年間の使用権もバンドルされることが明らかにされている。日本国内では、「Office Home & Business 2016」のライセンスが付属する。

●Windows 10 Sを搭載した安価なPCも登場

Windows 10 Sのリリースに合わせて、Microsoftでは、Office 365 Personal(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote)などのWin32アプリケーションをWinodwsストアで提供できるように、Win32アプリケーションをUWPカプセル化するDesktop App Converterにかけて、UWPアプリ化してWindowsストアで提供する。また、Surface Laptopには、Minecraft Education版をバンドルする。

Surface Laptopは、Googleの「Chromebook」の対抗製品といわれている。Surface Laptopのほかに、Acer、Dell、HP、Samsung、東芝、富士通などから、Windows 10 Sを搭載した製品が発売される予定だ。Surface Laptopの価格は約13万円からと安くはないが、サードパーティー製のWindows 10 S搭載PCの価格は189ドルから(約2万1000円から)用意されるという。

189ドルという低価格な製品は、さすがにSurface Laptopほどの性能は持っていないだろう。ただ、米国の学生にChromebookが普及していることを考えれば、なんとか学生にWindows 10とOfficeを使ってもらいたいというのがMicrosoftの思惑だと考えられる。

Windows 10 Sは、教育関係者の場合、無償でWindows 10 Proへのアップグレードができる。また一般ユーザーでも、49ドルでアップグレードが可能だ(2017年中は無償でアップグレード可能)。

●学生向けのWindows 10 S、普及する可能性は

Windows 10 Sの機能を見ていると、Windows 10 Proにさまざまな制限を付けたOSといえる(簡易版Windows 10ではなく、内部的にはフル機能を持つが、Windows 10 Sとして動作が制限されている)。

米国ではChromebookが普及していることを思えば、Windows 10 Sの戦略はそれほど突飛とは思わない。Surface Laptopに関しては、高額な製品というイメージが強い。ただ、他のPCベンダーから低価格な製品がリリースされるなら、Chromebookに対抗できる可能も高い。

一方日本国内では、学生向けというコンセプトでWindows 10 Sが成功するとは思えない。日本のユーザーは学生であってもフルスペックの製品に対するニーズは強い。学校側が、学生のPCに関する管理面を考えて、Windows 10 Sを勧める可能もある。しかし、日本の学校では、学生のPCを一括管理するという考えを持っていないため、米国のようにIntuneなどと合わせた学校向けのソリューションとしてはうまくいかない可能性がある。

また、Windows 10 Educationとの違いをどのように明確化するのかが不明だ。Windows 10 Educationは、Windows 10 Enterpriseを教育機関向けにしたOSだ。機能としては、Windows 10 Enterpriseとほぼ変わらない。ただ、ライセンス形態が、教育機関を対象として一括でライセンスを与えるボリュームライセンスになっている。Windows 10 Sのような制限はない。

●Windows 10 Sは、未来の企業向けOSかも?

Surface Laptopに関しては、現在はWindows 10 Sプリインストールモデルしか用意されていないが、将来的にはWindows 10 Proをプリインストールして、企業向けに販売されるかもしれない。個人的には、ハードウェアスペックや超薄型のノートPCといったフォームファクターを考えれば、一般企業でもニーズは高いと思う。

秋以降になれば、LTE通信モジュールを搭載し、Always Connected PC(eSIMを搭載し、簡単に通信キャリアと契約して、いつでもPCがネットワークに接続できる)に対応したSurface Laptopも登場するかもしれない(Surface Proには、LTEを搭載した製品が秋以降にリリースされる)。このような通信モジュールを搭載したSurface Laptopなら、一般企業は導入を検討するだろう。

Windows 10 Sに関しては、多くの学生が使うようになるには、Windowsストアに学生がほしいと思うアプリが用意されていくのかが、大きな問題になる。

Microsoftもそのあたりの事情は分かっているため、SpotifyやiTunesなどのアプリケーションを、Windowsストア経由で提供できるようにUWPカプセル化を進めている。ただ、まだまだアプリの数は少なく、多くのユーザーが満足している状況とはいえない。

しかし、企業での利用ということを考えれば、セキュリティ面や管理面からある程度の制限がかけられたり、一括して管理できたりする仕組みがあることは大きなメリットがある。将来的には、Windows 10 ProやEnterpriseに、Windows 10 Sが持つさまざまな機能制限を付け加えられるようになるだろう。

実際、Windows 10 Creators Updateでは、アプリのインストールをWindowsストアからだけに制限する機能が用意されている。ただし、CD/DVDドライブからのインストールができたりするため、Windows 10 Sほどの制限はない。また、特定のアプリだけをインストールできるようにするなど、制限をグループポリシーで細かく制御することもできない。

こうしたWindows 10 Sが持つ機能制限などは、Windows 10が今後アップデートされていく中で、徐々にWindows 10 ProやEnterpriseに取り込まれるだろう。

Windows 7の延長サポートが切れる2020年以降には、Windows 10においてもデフォルトでWin32のデスクトップアプリケーションのインストールを禁止し、Windowsストアからのみアプリをインストールできるように変わっていくかもしれない。もしかするとWindows 8.1の延長サポートが切れる2023年以降は、Win32アプリケーションの動作が禁止され、UWPアプリもしくは、UWPでカプセル化したアプリケーションしか動作しなくなるといった可能性もある。また、アプリの配布も、Windowsストア、企業の場合は企業ストアなどを使うようになり、認証されたアプリしか動作しなくなるかもしれない。企業としては、アプリケーションのUWP化を計画したり、既存のアプリケーションをUWP化することを検討して行く時期にさしかかっているのだろう。

 

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Windows 10でサードパーティーウイルス対策ソフトを「一時的に無効化」も--MSが説明

スマホ向けタッチキーボードが使えるWindows 10プレビュー版「Build 16215」

Microsoftが「不正なやり方」でサードパーティーのアンチウイルス(AV)を削除しているとするKaspersky Labの主張に対して、Microsoftが見解を示した。

Kaspersky Labは6月、「Windows 10」によるサードパーティー製アンチウイルスの扱いに関する苦情を欧州委員会(EC)とドイツ連邦カルテル庁に訴えた。

主な苦情の1つは、Windows 10がユーザーの同意なしにKasperskyのアンチウイルスソフトをアンインストールして標準搭載の「Windows Defender」を有効化しているというものだった。

Kasperskyによると、このアンチウイルスソフトの切り替えは、「Windows」のメジャーアップデートの際、サードパーティーのアンチウイルス製品とWindowsの最新バージョンの間に互換性がない場合に発生するという。

今回Microsoftは、Kasperskyの苦情に対してより詳細な見解を示し、アンチウイルスベンダーを積極的に支援してきたと主張した。

しかし、MicrosoftのWindows & Devices Group, Security & Enterpriseのパートナーディレクターを務めるRob Lefferts氏は最新のブログ記事で、「Windows 10 Creators Update」が一時的とはいえ実際にサードパーティーのアンチウイルス製品を無効化していたことを認めている。

「われわれは、アップデート完了直後にアンチウイルスアプリの新バージョンをインストールするようユーザーに促す、アンチウイルスアプリ専用の機能を構築した。これを実行するため、われわれはアップデート開始時に、まずアンチウイルスソフトウェアの一部を一時的に無効化した」(Lefferts氏)

「われわれはアンチウイルスパートナーと協力して、このプロセスを行い、彼らのソフトウェアのどのバージョンが互換性を備えるのか、そして、アップデート後にユーザーをどこに誘導するのかを指定していた」(同氏)

Kasperskyの創業者Eugene Kaspersky氏は、Microsoftがいかがわしい方法を用いて、既にWindows 10 PCにインストール済みのサードパーティーのアンチウイルスではなく、「性能の劣る自社製品(Windows Defender)を強く宣伝」しているとして、同社を批判していた。

Kasperskyは2016年、同様の苦情をロシアの連邦反独占庁にも訴えた。これを受け、Microsoftはいくつかの変更を施したが、それでも十分ではなかったようだ。

Kaspersky氏はさらに、過去のWindowsのバージョンと比べると、アンチウイルスベンダーが自社製品に互換性を持たせるための時間がほとんどないと不満を述べた。ESETなど、ほかの複数のベンダーも「Windows 10 Anniversary Update」との同様の互換性の問題を指摘している。

 

 

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スマホ向けタッチキーボードが使えるWindows 10プレビュー版「Build 16215」

Windows 10 Creators UpdateのWindows Updateに追加された新機能「更新の一時停止」を試す

米Microsoftは8日(現地時間)、Windows 10 Insider PreviewのPC向け新ビルド「Build 16215」をFast ringで配信した。また、モバイル向けにもBuild 15222を配信している。


今回ビルドは追加項目が多岐に渡っており、同社が開発者向け会議のBuild 2017で披露したFall Creators Update用の新デザインシステム「Fluent Design」などが適用されている(クリエイター向け機能をさらに盛り込んだWindows 10 Fall Creators Update)。

ここでは主要なPC向けビルドのアップデートをピックアップしてその内容を紹介していく。

■スタート

スタートで透明化を有効化している場合に、アクリル調のデザインを適用。フレームが縦/横/斜めにリサイズ可能になりフレームの端を掴みやすいように、グリップ箇所のリサイズも行なわれている。タブレットモードへの移行もスムーズになった。

■アクションセンター

ユーザーからのフィードバックをもとに、冒頭の画像にあるように、アクションセンターのデザインを変更した。表示される内容をわかりやすくするために、情報の分離化と階層構造を取り入れた。また、アクションセンターにもFluent Designが適用された。クイックアクションの見た目は、「設定→システム→通知とアクション」から変更できる。

■Edge

標準ブラウザEdgeのお気に入りのWebサイトをタスクバー上にピン留めできるようになった。ピン留めはEdge内の設定メニューから行なえる。

Edgeでは以下のような改良も行なわれている。

■Cortana

パーソナルアシスタントのCortanaのリマインダー機能を強化。ユーザーが今後参加予定のイベントのポスターなどをカメラロールに収めていた場合に、Cortanaに写真へのアクセス許可を与えていれば、リマインダーを作るようにユーザーに提案するようになった。また、次のイベントのために飛行機の写真を撮ったような場合、Cortanaはリマインダーを作るかどうかをユーザーにたずねるとしている。

■日本語関連

日本語版Windows 10にUDデジタル教科書体フォントを追加。Microsoftによれば、UDデジタル教科書体はペンを上手く扱うことで手書き感を生み出せるフォントであり、低視力や失読症のユーザーにも考えられたデザインになっているという。実際に同社の研究によれば、このフォントはテキストの読みやすさを向上させるとしている。

このほか、Edgeの入力フィールドにフォーカスがいっている場合に、IMEパッドやIMEユーザー辞書ツールが起動しなかった問題などを修正している。

■タッチキーボード

タッチキーボードの形状に、スマートフォンタイプの小型キーボードを追加。スマートフォンでの操作に慣れたユーザー向けに、片手でも入力可能なデザインを採用した。ただし、現時点ではUSキーボードでのみ利用できる。

 

 

 

 

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Windows 10 Creators UpdateのWindows Updateに追加された新機能「更新の一時停止」を試す

今さら聞けない、Windows 10の基本ワザ

Windows 10では、Windows Updateの機能がWindows 8.1以前から大きく変更されました。従来のWindows Updateと比べて改善点も多々ありますが、多くのユーザーが不満を持つ仕様も幾つかあります。



例えば、Windows 10ユーザーの方は、PCでの作業中に以下のような場面に遭遇したことはありませんか。

・PCで作業をしていて、ちょっと休憩して戻ってきたら、(更新のための)再起動が始まっていた(あるいは再起動した後だった)。
・早朝、PCで仕事の準備をして、いざ出かけようとしたら、(更新のための)再起動が始まってしまった。
・急ぎの文書を作成中に、あるいは重要な顧客へのプレゼン中に、PCが突然、(更新のための)再起動を始めてしまった。
・外出先のインターネット環境がやけに遅いと思ったら、(更新のために)Windows Updateがダウンロードを始めていた。

Windows 10の品質更新プログラムの多くは「累積的な更新プログラム」であり、再起動を要求します。Windows 10の「アクティブ時間」(既定は8:00~17:00)内であれば、再起動は保留されます。また、更新のために保留中の再起動にユーザーが気が付けば(アクションセンターの通知などで)、最大7日間(ポリシー設定で最大30日まで延長可能)、再起動を延期することができます。

しかし、再起動の通知を見逃して気が付かなかった場合、アクティブ時間外になると、更新のために半ば強制的な再起動が始まってしまう場合があります。アプリケーションが再起動後の自動復旧に対応していなければ、作業中の未保存のデータは失われてしまいます。それも問題ですが、とても急いでいるときや顧客へのプレゼン中など、都合が著しく悪いタイミングで再起動が始まってしまうともう大変です。

Windows Updateによる“強制的な再起動問題”が、Windows 10 Creators Update(バージョン1703)でようやく改善されました。それが、Windows Updateの「詳細オプション」に追加された「更新の一時停止」機能です。ただし、この機能が提供されるのはPro、Enterprise、Educationエディションであり、残念ながらコンシューマー向けのHomeエディションには提供されません。

Windows 10 Pro、Enterprise、Education バージョン1703のWindows Updateには、「更新の一時停止」以外にも幾つか変更点があります。例えば、「アクティブ時間の変更」では、最大18時間の範囲で設定できるようになりました。「更新の履歴」では、更新プログラムの履歴を種類別(機能更新、品質更新、ドライバ更新、他の更新)で表示するようになりました。

「詳細オプション」にも多くの新しい項目が追加されていますが、「Current Branch」と「Current Branch for Business」の選択は、以前のバージョンの「アップグレードを延期する」「機能の更新を延期する」を置き換えるものです。Windows 10 バージョン1703での「Current Branch」の選択(既定)は、「アップグレードを延期する」「機能の更新を延期する」をオフにした状態、「Current Branch for Business」の選択はオンにした状態と同じです。

その他の項目も、実は1つ前のWindows 10 バージョン1607の「Windows Update for Business」の機能と同等のもので、Windows 10 バージョン1607ではポリシー設定でしか制御できませんでした。Windows 10 バージョン1703では、Windows Update for Businessのポリシー設定と同じ制御を、クライアントPCの「設定」からできるようになったのです。「更新の一時停止」機能もバージョンごとに仕様は違いますが、Windows 10 バージョン1511からWindows Update for Businessのポリシー設定に用意されていました。

「更新の一時停止」のWindows 10 バージョン1703での変更点は、クライアントPCの「設定」から簡単にオン/オフできるようになったこと、そして明示的な日付(開始と期限)に基づいてオフにできるところです。Windows 10 バージョン1607のポリシー設定では、品質更新プログラムについては7日間、機能更新プログラムについては35日間、または手動でオフにするまで一時停止という仕様でしたが、Windows 10 バージョン1703では一時停止を開始する日付を保持するようになりました(クライアント側の「更新の一時停止」とは少し異なります)。なお、「更新の一時停止」をオンにしても、ストアアプリ(UWPアプリ)の更新や「Windows Defender」の定義の更新は行われるようです。

Windows Updateの細かな仕様変更については、別の機会にあらためて説明したいと考えています。今回は、Windows 10 バージョン1703向けに2017年4月26日に配布された累積的な更新プログラム「KB4016240」(ビルド番号15063.138以前から15063.250への更新)で、「更新の一時停止」の動作を試してみました。ただし、35日も待っていられないので、一時停止が自動的に解除されるところまでは確認していません。

●更新プログラムのチェック中に停止してみた

「更新の一時停止」は、いつでもオンにできるようです。例えば、「更新プログラムのチェック」ボタンが表示されている状態でも、「更新プログラムのチェック」ボタンを手動でクリックするか、自動的な更新チェックの開始で「更新プログラムを確認しています……」の状態であっても一時停止が可能です。

2017年4月26日に、Windows 10 バージョン1703のビルド番号15063.138でWindows Updateを手動で実行し、すぐに「詳細オプション」を開いて、「更新の一時停止」をオンにしてみました。このPCでは、「最大7日間」更新プログラムのインストールを一時停止できるという説明があり、オプションをオンに切り替えると、その下の表示が「今すぐ一時停止すると、更新が2017/05/03まで一時停止されます」から「更新プログラムは2017/05/03まで一時停止されます」となりました。なお、一時停止が「最大35日間」ではなく、「最大7日間」となっている点については、後で触れます。

「更新の一時停止」をオンにした後でWindows Updateの画面に戻ると、「ユーザーにより、このデバイスの更新プログラムが一時停止されました。更新プログラムの再開時刻については、[詳細設定]のオプションを選択してください」と表示されました。

2文目の“再開時刻”と“[詳細設定]のオプション”は、それぞれ“再開日”と“[詳細オプション]”が正しいと思います。細かいことですが、この辺りの表現に一貫性がないと、利用者は困りますよね。ちなみに、これは日本語化の問題です。英語版では「You have paused updates for this device. For more info on when updates will resume, select Advanced options.」となっています。

「更新の一時停止」をオンにすると、その期限まで、あるいは手動でオフに切り替えるまで、更新プログラムのチェックが行われなくなります。このPCの場合は、4月26日に配布された累積的な更新プログラムKB4016240のインストールを一時的にブロックできるというわけです。期限内に手動でオフに戻すと、更新プログラムのチェックから再開され、それが完了するまでオン/オフはできなくなります。

筆者環境のPCでは、KB4016240がインストールされ、再起動して更新が完了すると、再びオンにできる状態になりました。なお、実際に確認したわけではないですが、一時停止の期限になると、自動的に更新のチェックが始まり、更新プログラムの確認と更新があればインストールが行われ、元の状態(オンにできる状態のオフ)になるという流れになると思います。

●KB4016240の更新の再起動保留中に停止してみた

更新プログラムのダウンロードやインストールが始まってしまった場合はどうなるのか――こちらも試してみました。

複数台のWindows 10 バージョン1703のビルド番号15063.138でWindows Updateを手動で実行し、累積的な更新プログラムKB4016240を検出して、ダウンロード開始後、インストールの準備中、更新のための再起動待ちになっている状態の全ての時点で、「更新の一時停止」をオンにしてみましたが、いずれも更新プログラムKB4016240のインストールは中止されました。

PCを再起動しても、更新プログラムKB4016240がインストールされることもありませんでした。なお、再起動を必要としない更新プログラム(Windows Defenderの定義やAdobe Flashの更新など)は、タイミングによっては一時停止する前にインストールが完了してしまうと思います。

毎月第二火曜日のPatch Tuesday(日本はその翌日の水曜日)に更新がくるのが分かっていて、それに備えることができる以前のWindowsとは異なり、Windows 10の更新プログラムは、いつやってくるか分かりませんし、多くの場合、再起動が必要な累積的な更新プログラムがやってきます。

「更新の一時停止」機能を利用すれば、今は都合が悪いと分かっているときに、一時停止することができますし、気が付いたらダウンロードやインストールが始まっていたという場合でも、自動的な再起動が開始される前であれば、それを中止できます。残念なのは、Windows 10 Homeにはこの機能がないこと。Windows 10 Homeユーザーは、これまで通りのWindows Updateと付き合っていく必要があります。これまで通りといっても、従量制接続でもダウンロードが行われる場合があるなど、幾つか変更された仕様があるので注意してください。

●更新の一時停止は最大35日? それとも最大7日?

「更新の一時停止」機能は、更新プログラム(品質更新と機能更新)のチェックとインストールを最大35日間一時停止できます。しかし、今回試したPCでは「最大7日間」の場合と、「最大35日間」の場合がありました。この期限の違いは、ProやEnterpriseのエディションの違いからくるものではありませんし、なぜ異なる2つの期限があるのかについての公式な情報を筆者はこれまでのところ入手できていません。

これはあくまでも筆者の想像ですが、そのPCのこれまでの更新の状況をWindows 10が診断して、期限を短縮したり、延長したりしているのではないかと思っています。期限の異なる2台のPCで、レジストリの値を比較してみたところ、「最大7日間」となっていたPCには、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsUpdate\UX\Settings」キーに「FlightSettingsMaxPauseDay」値が存在し、データに「7」が設定されていました。

一方、「最大35日間」のPCには、「FlightSettingsMaxPauseDay」値自体が存在しません。試しに、「最大7日間」のPCの「FlightSettingsMaxPauseDay」値を削除してみたところ、「最大35日間」にすることができました。おそらく、「FlightSettingsMaxPauseDay」値は、Windows 10により自動管理されているものであり、むやみに削除するべきではないのかもしれません。

しかし、もし「最大7日間」になっていて、これから7日以上にわたってWindows Updateには都合が悪いと分かっている場合は、「FlightSettingsMaxPauseDay」値の削除の方法を知っておいても損はないでしょう。例えば、1週間以上、PCをフル稼働させないと完了しない、プロセッシングタスクを実行しなければならない研究者や数学者の方には有効かもしれません。

●Homeエディションの救世主? 「追加の通知」

「更新の一時停止」機能は、Homeエディションでは利用できませんが、「追加の通知」という新機能がエディションに関係なく利用可能になりました。

以前は再起動の通知が1回限りであったため、通知を見逃してしまう可能性がありました。「追加の通知」機能をオン(既定はオフ)にすると、再起動の通知回数を増やすことができます。実際にどの程度、通知が増えるのか、確認できていませんが、Windows Updateによる突然の再起動を回避できるチャンスが増えるかもしれません。

ただし、「追加の通知」機能をオンにしたとしても、通知の回数が増えるだけのようで、再起動が始まる直前に必ず通知される動作になるわけではないようです。ユーザーがその通知を確認するまで待っていてくれるというものではありません。

 

 

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今さら聞けない、Windows 10の基本ワザ

「Windows 10 Insider Preview」の新版が公開 ~Hyper-Vに“元に戻す”機能を導入

Windows 10の大型アップデート「Creators Update」が4月11日より始まり、早速試している人もいるだろう。ここでは、Windows 10の今さら人に聞けない基本ワザ、知っていれば効率アップできて自慢できる(かもしれない)便利ワザを紹介する。第1回は「設定」の開き方など基本中の基本ワザだ。

ワザの内容と画像は、すべてCreators Updateに準拠しているので、まだアップデートしていない場合は操作が一部異なる可能性がある。

「設定」を開く

Windowsで何か設定をするときは「コントロールパネル」を開くのが当たり前だったが、Windows 10では「設定」で多くの設定ができるようになった。この「設定」の開き方をまず覚えよう。

コントロールパネルもまだ残っているが、アップデートのたびにコントロールパネルから「設定」に設定項目が移動している。将来的には、一般ユーザーが扱う設定項目のほとんどが「設定」に集められそうだ。

「コントロールパネル」を開く

これまで「コントロールパネル」はスタートボタンの右クリックメニューから起動できたが、Creators Updateではできなくなった。設定項目の多くは「設定」にあるが、より細かい設定を行うには「コントロールパネル」を開く必要があるなど、また「コントロールパネル」が必要になるケースがある。

「コントロールパネル」はスタートメニューの「Windowsシステムツール」の中にあるので、そこから起動できる。または、タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力すれば検索結果に表示され、そこから起動できる。

「Internet Explorer」や「ペイント」を使う

Windows 10では、標準のWebブラウザーが「Edge」(エッジ)になった。これまでの「Internet Explorer」(IE)とは全く別物なので、操作に慣れない人もいるだろう。よく使うWebサービスなどがエッジに対応しておらず、IEが必要だという人もいるかもしれない。Windows 10にはIEもちゃんと入っているので、IEが必要な人はこちらを使おう。「ペイント」も同様だ。

タスクバーの検索ボックスを使う方法もある。検索ボックスに「i」や「pe」と入力すると、高確率で「Internet Explorer」や「ペイント」が検索結果に表示されるので、それをクリックすればよい。この方法は他のアプリでも使える。

 

よく使うアプリはタイルやタスクバーに登録する

よく使うアプリは、スタートメニュー右側にタイルとして登録したり、タスクバーにアイコンとして登録しておくと、スタートメニューを開いて探すことなく起動できる。またスタートメニューやタスクバーに使わないタイルやアイコンが登録されている場合は、これを外すこともできる。登録するアプリを整理して、スタートメニューやタスクバーを使いやすくしよう。

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●アプリの関連付けを変える

画像ファイルをダブルクリックしたとき、「ペイント」で開きたいのに「フォト」が起動してしまうことがある。これは、その画像ファイルのファイル形式と特定のアプリ(この場合は「フォト」)が関連付けされているからだ。この関連付けを変更すれば、ファイルをダブルクリックした時に起動するアプリを自分で設定できる。

ファイルを右クリックして「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」の順に選ぶと、アプリの選択画面が表示される。一番上のアプリが現在関連付けられているアプリだ。その下のアプリ一覧の中から関連付けたいアプリを選んで設定する。アプリ一覧の中に使いたいアプリがない場合は、「その他のアプリ↓」をクリックする。

Windowsを終了する、再起動する、スリープする
Windows 10パソコンを終了して電源を切りたい場合は、スタートメニューからシャットダウンの操作をする。再起動もここで行う。スタートボタンを右クリックするとメニューが表示されるが、ここからシャットダウンや再起動を選ぶこともできる。

  米Microsoft Corporationは19日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」のPC版Build 16179およびモバイル版Build 15205を、“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対してリリースした。現在、“Windows Update”から最新ビルドへ更新できる。

   PC版Build 16179では、仮想マシン機能“Hyper-V”でチェックポイントを自動で追加する機能が新たに搭載された。仮想マシンをスタート時へ簡単に戻せるので、操作ミスがあっても気軽にアンドゥできる。

   また、“Power Throttling(仮称)”が前ビルドで追加されたことも明らかにされた。これは“Skylake”以降のIntel製CPUに搭載されている“Intel SpeedShift Technology”を活用した実験的な省電力機能で、CPU消費電力を最大11%節約できるという。

   なお、モバイル版Build 15205における変更は不具合の修正がメインとなっている。

 

 

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Microsoft Officeの未解決の脆弱性を突く攻撃が横行、メールで届くWordファイルに注意

Windows 10/Server 2016向けパッチ「KB4016635」が公開 ~今週2度目のリリース

MicrosoftのWindowsとOfficeに存在する未解決の脆弱(ぜいじゃく)性を突く攻撃が横行していることが分かり、米カーネギーメロン大学のセキュリティ機関、CERT/CCが4月10日、セキュリティ情報を公開して注意を呼び掛けた。


CERT/CCによると、Officeなどの文書に別のデータへのリンクを挿入するWindowsの機能「Object Linking and Embedding」(OLE)オブジェクトに関連した脆弱性が存在する。悪用された場合、細工を施した文書をユーザーに開かせる手口によって、認証を受けないリモートの攻撃者が任意のコードを実行できてしまう恐れがある。

セキュリティ企業のMcAfeeは、4月7日のブログでこの脆弱性について、「.doc」の拡張子を付けてWordファイルに見せかけたRTFファイルが攻撃に使われているのを発見したと伝えていた。攻撃は1月下旬から発生していたという。

FireEyeも4月8日、この脆弱性を突く攻撃の発生を確認。狙った相手に不正なオブジェクトを仕込んだMicrosoft Wordファイルをメールで送りつけ、マルウェアをダウンロードさせる手口が使われていると報告した。

この脆弱性はWindows 10向けのOffice 2016も含め、Officeの全バージョンが影響を受ける。当面の対策として、Officeのファイルをリードオンリーモードで開く「保護ビュー」(Protected View)を使えば攻撃を阻止できるとも伝えられている。

Microsoftは日本時間の4月12日に月例セキュリティ更新プログラムを公開する見通しだが、この脆弱性が修正されるかどうかは分かっていない。

 

 

 

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Windows 10/Server 2016向けパッチ「KB4016635」が公開 ~今週2度目のリリース

Windows 10 Creators Updateでスケーリングが改善、複数DPIのマルチディスプレイ環境に配慮

Microsoftは4日(米国時間)、11日の配信が予定されているWindows 10の大型アップデート「Creators Update」について、異なったDPIを持つマルチディスプレイ環境におけるスケーリング機能の改善が含まれることを明らかにした。


開発者のダイナミックスケーリング実装を容易とすることや、グラフィックAPIの改善のほか、エンドユーザー向けの機能も含まれる。これにより、開発の終了したレガシーアプリや、高DPI環境で検証を受けていないアプリも、改善されたスケーリングの恩恵を受ける。

エンドユーザー向けの機能として、アプリごとのDPIスケーリング機能が拡張された(Override high DPI scaling behaviorについて)。これは、高DPI環境に対応していないアプリケーションで、OS側のスケーリング処理でper-monitor DPI awareなスケーリングを可能とする。ビットマップ部分やGDI+、DirectXで実装されている範囲はスケーリングされないものの、GDIで実装されたレガシーアプリには好適となる。

また、デスクトップアイコンのスケーリング機能も追加された。デスクトップ拡張モードで異なったDPIのディスプレイが混在している場合、従来デスクトップアイコンはスケーリングを受けなかったが、アップデート以降はDPIに応じたスケーリングを受ける。

Internet Explorerもスケーリングに対応。従来より、コンテンツに対するスケーリングは行なわれていたが、ナビゲーションバーや、ナビゲーションバー内のテキスト、スクロールバーなどのUI部分にも新たにスケーリングが実装された。

さらに、Win32アプリのダイアログについても新たにスケーリング機能が実装。CreateDialog関数で生成するダイアログについて、自動スケーリングが適用される。自動スケーリングの対象となるのはテンプレートに含まれる部分のみで、開発者が独自に実装している部分については対象外だ。

 

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   本更新プログラムを適用すると、「Microsoft Dynamics CRM」を「Internet Explorer 11」で利用した際の表示問題と、「ストア」で“0x80070216”エラーが発生しアプリがアップデートできない問題が修正される。スタンドアロンのパッケージは、現在“Microsoft Update カタログ”から入手可能。

 

 

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