●CBBにもバージョン1709がやってきた! って、なんでやねん

Windows 10の新バージョンは3月ごろと9月ごろに、まず「Current Branch(CB)」向けにリリースされ、そのおおむね4カ月後に「Current Branch for Business(CBB)」向けにリリースされるという方針が2017年の春に固まりました。

そして、2017年10月にリリースされた「Windows 10 Fall Creators Update バージョン1709」からは、CBとCBBの名称が、それぞれ「半期チャネル(ターゲット指定)」と「半期チャネル」に変更されました(公式にはWindows 10 バージョン1703のCBB向けリリースから「半期チャネル」と呼ばれていますが、Windows 10 バージョン1703のGUIではCBBのままです)。

筆者は今、環境的にもタイミング的に非常に都合が悪いので、複数台ある物理PCのうち、Windows 10 Pro バージョン1703を実行している仕事用のメインPCについてはCBBに設定し、Windows 10 バージョン1709が自動配布されるのを延期していました。おそらくCBB向けのリリースが宣言されるのは2018年2月ごろになるはずなので、それまでに都合の良いタイミングで更新(アップグレード)しようと備えたわけです。

しかし、2017年11月の定例のWindows Updateで目を疑うことになりました(話は逸れますが、11月は定例のWindows Updateが第二水曜日ではなく、第二火曜日の翌日であるということを示す月でした)。

手動で更新チェックを開始し、しばらくして戻ってみると、利用可能な更新プログラムの中に「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」があるではないですか。慌てて「詳細オプション」を確認してみましたが、ちゃんとCBBに設定されています。

既にダウンロードが始まっていたようなので、都合が非常に悪いことには変わりませんが、そのPCで作業をしながら、そのまま更新を進めることにしました。Windows Updateの途中で再起動すると、シャットダウンや再起動がなかなか進まなかったり、その後の更新が失敗したりする可能性が高くなります。その日の仕事は、ネットワークが遅く感じる、PCが重く感じる状態だったのは言うまでもありません。そして、夕方に更新のために再起動を開始したところ、2時間以上、PCが使えない状態になってしまいました。

メインPCを更新中、別の仮想環境にあった、CBB構成のWindows 10 Pro バージョン1703(検証用仮想マシン)でもWindows Updateを実行してみました。すると、やっぱり「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」が検出されてしまいます。しかし、チェックポイントでロールバックしてから、もう一度Windows Updateを実行すると、今度は検出されません。さらにもう一度、ロールバックしてからやってみると、また検出されます。もう、何が何だか、意味が分かりません。

SNSやユーザーフォーラムを探してみると、同様の現象に遭遇したユーザーがちらほらいるようです。そして、2017年11月の第4週には、以下のサポート技術情報の「この更新プログラムの既知の問題」にこの問題が追記されました。最新情報は、英語のオリジナルページ(URLの「ja-jp」部分を「en-us」に置き換える)で確認することをお勧めします。

更新プログラムのリリースから1週間後に「既知の問題」に追加されても、もう遅いのです。更新を配布したときは「未知の問題」だったわけですから。「新たな問題」という表現にしてはいかがでしょうか。あと数日間はロールバック機能が使えますが、元に戻すのにも時間がかかりますし、成功するかどうかも不安です。そして、今は都合が悪いのです。

CBBで運用しているのは「より安定したビルドになるまで待ちたい」「アプリケーションの互換性テストがまだ終わっていない」「マルウェア対策ソフトの対応待ち」など、さまざまな理由で“意図してCBBを選択している”はずです。まさしく今回のような問題を回避するためにCBBを選択しているわけですが、そのCBBをアップグレードしてしまうというのは、本当に重大なミスだと思います。ちょっと笑ってしまいます。

こっそり「既知の問題」を追加するのではなく(「こっそり」とは、更新日付が当該ページに見当たらないので)、ちゃんと対応方法(どうすれば今後更新されないか、ロールバックする方法は、など)を示すなどしてほしいものです。

●本当に更新プログラム「KB4048954」が犯人なのか?

ところで、1つ気になることがあります。この問題は2017年11月の累積的な更新プログラムである「KB4048954」の既知の問題に付け加えられたわけですが、本当にこの更新プログラムが真犯人なのでしょうか。

なぜかというと、2017年11月15日に手動で更新を開始したとき、“同時に検出された”からです。ダウンロードを開始するときに既に「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」も検出されていたわけですから、まだ「KB4048954」はダウンロードもインストールもされていません。なんとなく“「KB4048954」のページに書いてみた”、なんてわけないですよね。でも、特にWindows Updateに関しては、全て疑ってかかった方がよいような気がしてきました。

●2017年10月の更新ファイル問題はその後どうなった?

Windows 10 バージョン1607(Anniversary Update)およびWindows Server 2016では、2017年10月の定例のWindows Updateでいろいろと問題がありました。その問題の1つが「エクスプレスインストールファイルを使用した更新の不具合」です。Windows 10 バージョン1607に対してはいつもと同じように「エクスプレスインストールファイル」で配布されましたが、Windows Server 2016は「フルインストールファイル(1GB超)」の巨大なファイルが配布されました。

その後、これらのバージョンには幾つかの累積的な更新プログラムが「Microsoft Update Catalog」を通じてリリースされ、その中にこの問題の修正も含まれました。Windows 10 バージョン1607もこの問題の影響を受け、2017年11月の更新はエクスプレスインストールファイルによる更新が失敗するのではと思いましたが、2017年11月の累積的な更新プログラム「KB4048953」は通常通り、エクスプレスインストールファイルで更新されました(Microsoft Update Catalogで提供された更新を行わなくても)。

そして、Windows Server 2016については、2017年10月の更新をスキップした/しない、Microsoft Update Catalogで提供された更新をインストールした/しないに関係なく、2017年11月の累積的な更新プログラム「KB4048953」はフルファイル形式でのみ配布されました。Windows Server 2016のWindows Updateによる更新が正常化するのは、まだ先になりそうです(おそらく2017年12月の定例更新)。筆者のWindows Server 2016環境のほとんどは2017年10月の定例更新はスキップしましたが、仕方なく、11月の定例更新はスキップせずに行いました。

●後出しの権利の行使?

最後に、2017年10月にサポートが終了したはずのWindows 10 バージョン1511に関して。Windows 10 バージョン1511は、2017年10月の累積的な更新プログラム「KB4041689」のビルド「10586.1176」が最後になると思っていました。

ところが、Windows 10 バージョン1511のEnterprise/Educationエディションに限り、更新サポートが6カ月延長され、「2018年4月」まで重大/重要レベルのセキュリティ問題の修正プログラムが提供されることになりました。

2017年11月には累積的な更新プログラム「KB4048952」が提供され、ビルドは「10586.1232」になりました。この特例措置は“Enterprise/Educationエディション限定”であり、Home/Proエディションは対象外ですのでご注意ください。

 

 

 

【関連記事】

「Windows 10 Pro for WorkStation」って、結局“誰得”なの?

Intel製CPUに特権の昇格の脆弱性、公式チェックツールがWindows/Linux向けに公開